キリストの似姿としての人間マイカル
ニューヨークで起きた同時多発テロで犠牲となった、マイカル・ジャッジ神父の物語です。
マイカルは、フランシスコ会の司祭ですが、チャプレンとして働いた姿がこの本には描かれています。チャプレンというと、日本では学校や病院で働く司祭や牧師のイメージがありますが、アメリカでは、警察や消防署、軍といった公共機関や貧困層の人たちの中に入って働くことも多い、ということをこの本を通して知りました。
著者は、日本基督教団代々木上原教会の中村吉基牧師です。私の務める代々木教会から徒歩15分の教会に任じていらっしゃる、尊敬する牧師です。
マイカル神父の姿にとても感銘を受けました。マイカル神父には実は理想と現実の間で葛藤があり、人々の模範に自分はなり得ないという思いを持っていたというくだりがとても印象的でした。そこにはマザー・テレサと共通しているところがあると思いました。
また、飛行機墜落事故で息子を失った人に神はいるのかと問いかけられて、神の意志は自分にはわからないと謙虚に、正直に吐露する姿から、私が抱いていた神父像が一新されました。
そして、この本を拝読することで、私の中のなにかが少し変わった気がします。