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日時:2023年7月16日(日)10:30~
場所:日本キリスト教団代々木教会礼拝堂

説教の解説
◆日本では今日、「初志貫徹」とか「石の上にも3年」といった考えは廃れ、「脳にいいことをやりなさい」とか、「嫌なことはしなくてよい」とか、「苦手なことをやるのは時間の無駄」とか、「得意なことを伸ばせ」という言説が目立ちます。脳科学至上主義で、心や想いすら、単に、脳への刺激とその反応かのように前提して捉えているように思われます。しかし、どうでしょうか。また、それでいいのでしょうか。
◆一方で、今日、19世紀の詩人ジョン・キーツが提唱した「ネガティブ・ケイパビリティ」の重要性が注目されています。ネガティブ・ケイパビリティとは、逃げ出さずにその場に居続ける能力、結論を棚上げする能力、宙ぶらりんを耐え抜く能力で、それは「能力」だというのです。
◆例えば、介護が必要な家族を抱えているときに、嫌なことだから逃げ出す、なんてことはできません。
◆本日はその言葉をまさに体現した、イエス・キリストの使徒のパウロの言葉から人の人生について学びます。パウロは、キリスト教を伝えるために、3回の伝道旅行をしました。2回目、3回目は、アジア(今のトルコ)からエーゲ海を越えてヨーロッパ(今のギリシャ)にわたりました。
◆その旅では、一山超えてまた一山の経験をしました。コリントでは伝道に成功したものの、アテネでは失敗したり。しかし、耐え忍びつつ、諦めることはありませんでした。