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日時:2024年1月7日(日)10:30~
場所:日本キリスト教団代々木教会礼拝堂

<導入>
◆2024年の最初の日曜日を迎えました。教会の暦は降誕節と呼ばれる期節で、イエスキリストの誕生を喜び祝うときです。しかしまさにこのとき、パレスチナでは、ガザ地区を実効支配するハマスによる安息日の不意打ち、そしてイスラエル国によるハマスへの報復攻撃といった「暴力の無限連鎖」が続いています。

◆「目には目を、歯には歯を」という有名な言葉があります。これは、過度な復讐を抑える意図があり、復讐の拡大を防ぐ役割を果たす同害復讐法と呼ばれる掟で、イスラム教はハムラビ法典により、ユダヤ教では旧約聖書(ヘブライ語聖書)により、同じ掟や考えを共有しているはずですが、ハマスもイスラエルの首相もそれを理解していない、あるいは知っているとしても無視していることは明白です。イスラエルはこの機にガザ地区の難民キャンプに攻撃をして領土拡大を虎視眈々と狙っています。その結果イスラエル建国によって生まれた大量のパレスチナ難民たちが、4回の中東戦争を経ても、さらに生活不安にさらされ続けているのです。

◆私たちの国でも、世界平和を守るという「大義?」のもとに、またもや、軍備拡張競争が熱を帯び、多大な予算が国防費につぎ込まれようとしています。日本の2023年度の国防費は6兆8219億円で過去最大です。24年度の予算は7超7億円を計上予定です。中国、北朝鮮の軍備拡張やロシアによるウクライナ侵攻を背景に、日本を取り巻く安全保障環境が急速に厳しさを増し「緊急的に防衛力を強化する必要がある」と判断したためです。

◆私自身は、敵基地攻撃能力を保有しても、日本の安全は高まらないと考えます。攻撃を受けたときに限って武力行使をするとした「専守防衛」という長年の宣言や外交政策への信頼が低下し、他国の不安をかき立てます。そうすると、周辺国との緊張が激化して、さらに軍備競争が加速する「安全保障」という「囚人のジレンマ」から抜け出せなくなると考えるからです。どうすればよいのでしょうか。神のアガペーの愛が人々の心に浸透し、平和がもたらされるように祈る小さなものです。今日の聖書の箇所には、それへのヒントがあります。