日時:2024年2月11日(日)10:30~
場所:日本キリスト教団代々木教会礼拝堂
イントロダクション:
◆「喜べば喜ぶほどさらに喜びが増し加わる」お話をさせていただきます。
◆皆さんはフィンセント・ファン・ゴッホという人物の名前は聞いたことがあると思います。19世紀に活躍した有名なオランダの画家です。ひまわりの絵や、自画像、風景画など、どれをとっても力と情熱を感じさせる絵画を描きました。27才から37才の十年間に、油絵で八百枚、水彩やデッサンで千枚という驚異的な数の作品を残しました。しかし、ゴッホは、画家になる前には、牧師になって、伝道するという志をもっていたことは、あまり知られていないのではないでしょうか。
◆聖書はキリストの弟子の中でも最も若かったといわれるヨハネが晩年に書き残したといわれる手紙、「ヨハネの手紙一」の最初を読みます。このヨハネとは文章を書くのが得意です。しかしながら、その最初の書き出しに少し驚かされます。1節から4節まで読んでみますと、何が言いたいのか理解するのに少々苦労します。そもそも、手紙の最初の部分で、いろいろなことを言い過ぎている感があります。実際、原文のギリシャ語を確認すると1節から3節までが、切れ目のない一つの文なのです。
◆しかも、4節の最後では、次のように語っています。「私たちがこれらのことを書くのは、私たちの喜びが満ち溢れるようになるためです」と。私たちの喜びがあふれると、手紙を書けば書くほど、私たちの喜びが増すというのです。これは、随分変わった表現です。通常は手紙で相手に対してただ喜びを伝達する表現をとるのに対して、この手紙は、文章を書けば書くほど、自分たちの喜びが増していくと言いうのです。
◆そこにはゴッホの生き様のように、自分の人生を生き抜く情熱が関連していそうです。