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<式次第>
司式 小玉桂伊役員
奏楽 遠藤与穂子姉
祈祷・説教・祝祷 佐野真也牧師
前 奏 「主キリスト、神のひとり子よ」D. ブクステフーデ
招 詞 詩編96編1~2節
賛 美 205
詩編交読 89編1~15節
祈 祷
聖 書
旧約 レビ記19章17~18節(p.192)
新約 マタイによる福音書5章43~48節(p.8~9)
賛 美 288
説教・祈祷「あなたの敵を愛しなさい」
賛 美 394
信仰告白 日本基督教団信仰告白
主の祈り 93-5-A
聖 餐 78
献金・祈祷 64
頌 栄 29
祝 祷
後 奏
◆新しい年2026年を迎えました。今年最初の礼拝において、私たちは主イエス・キリストの最も有名であり、かつ最も困難な言葉に向き合います。「あなたの敵を愛しなさい」。クリスチャンでなくとも、一度ぐらいは目や耳にしたことのある言葉でしょう。ですから、説教題に「あなたの敵を愛しなさい」と掲げたとしても、奇異に感じることはないと思います。
◆しかし、紀元一世紀のイスラエルの聴衆は違います。イエス・キリストの言葉「わたしは言っておく。敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい」を、大きな驚きをもって聞きました。
当時の常識は「隣人(ユダヤ人の同胞)を愛し、敵を憎め」だったからです。
◆クリスチャン作家・三浦綾子の代表作『氷点』は、この問いを鋭く私たちに突きつけます。この小説において、「汝の敵を愛せよ」という言葉は、美しいスローガンとしてではなく、人間には到達不可能な「絶望的な壁」として描かれています。
◆物語は、ある医師が、自分の愛娘を殺した犯人の幼い娘を引き取り、養女として育てるところから始まります。彼は表向きには「敵の子を育てることこそ、敵を愛する聖書の実践だ」と語ります。しかし、その内心は違いました。何も知らない妻に犯人の子を愛させ、後で真実を突きつけて絶望させるという、妻への恐ろしい復讐が目的だったのです。「敵を愛せよ」という崇高な言葉が、ここでは復讐の隠れ蓑として、人間の偽善の道具として使われています。
◆やがて真実を知った妻は、愛して育ててきた娘を憎み、いじめ抜きます。彼女は苦悩します。「わが子を殺した犯人の子を、どうして愛せようか」。そして、復讐を企てた夫もまた、自分の罪に直面します。「敵を愛せよという言葉を利用して妻を裁いた私は、果たして妻を愛しているのか。目の前の娘を愛せているのか」。
◆小説『氷点』が暴き出したのは、人間の努力や道徳心では、敵を愛することなど到底できないという事実です。私たちの心には「氷点」があり、ある一点を超えると心は凍りつき、愛など消え失せてしまう。三浦綾子は、このイエスの言葉を、人間の罪の深さを測る「物差し」として用いたのです。












