聖書の入門書のなかでもっと良かった本をご紹介したいと思います。
世界最大のベストセラー、聖書を理解するために書かれた解説本としては、ピカイチだと思います。この類の聖書入門書・キリスト教入門書を私は何冊か所有しています。それぞれの良さはありますが、この『雑学3分間 聖書』は、新約・旧約を偏りなく網羅し、また今日の聖書研究も取り入れつつ著しています。
もう少し詳しく説明しますと、
・旧約について丁寧に解説している
・旧約とイエスの関係を記している
・史的イエスと信仰上のイエスの問題を取り上げている
・死海文書(クムラン文書)の発見等、今日の聖書研究につながる話題も取り上げていることです。
上に加えて、なぜ私が良いと思ったかの理由が、あとがき(結びにかえて)を読んでわかりました。読者が、聖書が書かれた時代(2千年~3千年前)とそれを受けとめる現代のギャップを埋めることができることによって、聖書を吟味して読み、現代の世界で聖書を生かしていくことにつなげることが本書の目的だからです。
なお、著者の山我哲雄さんは本格的な旧約聖書論でも『一神教の起源』などの非常に優れた著書があります。