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ロシアがウクライナに侵攻したことが大きなニュースになっています。私たちに伝えられているメディア報道は、西側の見方の報道なのでよく注意しなければなりません。私が購読している読売新聞は、英BBC放送がニュースソースになっています。

その報道においては、米国を巻き込んだクリミア侵攻の文脈なしに、大国ロシアがウクライナを攻撃している様のみを伝えており、違和感があります。

  1. 停戦が続いていたところに、クリミアを奪還しようとウクライナの大統領が発奮
  2. それがうまくいかないので米国を巻き込む動きを取った
  3. それに対してロシアが怒り、しびれを切らしてウクライナに侵攻した

という経緯だと私は理解しています。

ロシアのプロサッカーリーグに所属したことがある本田圭祐さんはツイッターでフェアな投稿をしておられ、大変参考になります。

上を踏まえた上で、大国が武力を行使することへの批判をしたいと思います。神の愛すなわちアガペーの愛を知っている人が国家元首ならば、このような戦争状態にはならないはずです。

次に足元の日本に目を向けてみます。最近「米国頼みではいけない、日本は敵基地攻撃能力を持つべきだ」という主張がありますが、国連憲章には、かつての敵国が報復する姿勢を見せたら攻撃してよい、という「敵国条項」(あるいは「敗戦国条項」ともいう)があります。第二次世界大戦の敗戦国の日本が戦勝国の国土を攻撃する能力を身に付けたとみなされると、交戦する格好の材料になりかねません。同じ理由で、同盟国が攻撃されたからといって国外で自衛隊が戦闘を行なっても、侵略の口実になってしまいます。

これを知らないで、あるいは無視して「自衛隊を軍隊として認めるべき」、「軍事費を増大すべき」と主張する論客がいますので、非常に注意しないといけないと思います。

「自衛隊を軍隊として認める」ために日本国憲法を改正すればよい、といった議論もあります。しかし、憲法とは、日本国民と日本国との間の契約であり、国連憲章は国家間の契約で、上位は国連憲章なのです。この認識を土台にして議論しなければならないはずです。

ひょっとして「敵国条項」はもはや時効だという暗黙の了解がどこかにあるのでしょうか。しかし実際に中国は決して忘れていません。そして国連憲章からそれらの条文は消えていません。

世界の状況も足元の日本もその両方において、私たちキリスト教会がイエス・キリストの教えを伝えていくこと、キリストによってもたらされた和解と平和を伝えていくことが重要だと再認識する次第です。